【節税】住宅ローン控除で100万円以上を捨てないためには!?年収400万円で4,000万円の住宅を購入おすすめしない理由【年収別リストあり】

住宅ローン控除が最大40万円って聞いたから、控除額を最大限に発揮できるはずの4,000万円の住宅を購入したのに、40万円がもらえない。なんで?

住宅ローン控除額は適用額を直接もらえるわけではありません。

そもそも住宅ローン控除とは、1年間で支払う所得税や住民税から住宅ローン控除の適用額の全額、または一部を差し引くことのできる制度です。

つまり、1年間で40万円の税金を払っていない人は、住宅ローン控除の適用額が最大の40万円だったとしても、最大限に発揮できるわけではないのです。

住宅ローン控除の適用額は独身、共働き、専業主婦の家庭、子どもがいる家庭、年齢など、様々な条件で変わってきます。

ここでは、住宅ローン控除適用額を最大限に発揮し最も得する住宅価格を年収別に紹介していきます。

場合によっては100万円以上も損します。

お住まいの地域により税率の違いなどで金額が前後することがあります。以下の表はあくまでも試算値となっておりますのでご参考にご覧ください。(詳細条件はページの下部にあります)

それではどうぞ。

1.『最』も得する住宅購入価格の年収別リスト

1.独身・共働きの場合

年収に対して、年末12月31日時点での住宅ローン残高がいくらであれば最も効率よく控除が適用されるのかをまとめた表がこちら。

年収
(総支給額)
住宅価格
(住宅ローン年末残高)
¥1,920,000¥6,000,000
¥2,040,000¥6,900,000
¥2,160,000¥7,600,000
¥2,280,000¥8,500,000
¥2,400,000¥9,300,000
¥2,640,000¥10,900,000
¥2,880,000¥12,500,000
¥3,120,000¥14,100,000
¥3,360,000¥15,700,000
¥3,600,000¥17,300,000
¥3,840,000¥19,200,000
年収
(総支給額)
住宅価格
(住宅ローン年末残高)
¥4,080,000¥21,100,000
¥4,320,000¥23,000,000
¥4,560,000¥24,700,000
¥4,920,000¥27,100,000
¥5,280,000¥29,500,000
¥5,640,000¥31,900,000
¥6,000,000¥34,400,000
¥6,360,000¥36,800,000
¥6,600,000¥39,100,000
¥6,600,000¥40,000,000
¥6,720,000¥40,000,000
独身・共働きの場合の住宅ローン控除最大活用額(年収別)

(こちらは配偶者控除、配偶者特別控除は未適用の場合となります)

初心者クマさん
初心者クマさん

配偶者控除?配偶者特別控除ってなんなの?

クジラさん
クジラさん

配偶者は結婚したお相手、パートナーのことで、かんたんに言うと結婚してからどちらか1人の収入源で生活しているなら税金を安くしますよ~って制度です

年収は前年の1月1日~12月31日までにもらった給料、残業代や各手当が含まれた総支給額で、社会保険料や税金を差し引く前の金額となります。それぞれ標準報酬月額を参考に設定しています。

2、夫婦(専業主婦、主夫)の場合

こちらは配偶者一般控除38万円を適用した場合です。

年収
(総支給額)
住宅価格
(住宅ローン年末残高)
¥1,920,000¥1,400,000
¥2,040,000¥2,200,000
¥2,160,000¥3,100,000
¥2,280,000¥3,800,000
¥2,400,000¥4,700,000
¥2,640,000¥6,200,000
¥2,880,000¥7,900,000
¥3,120,000¥9,500,000
¥3,360,000¥11,100,000
¥3,600,000¥12,800,000
¥3,840,000¥14,700,000
年収
(総支給額)
住宅価格
(住宅ローン年末残高)
¥4,080,000¥16,600,000
¥4,320,000¥18,500,000
¥4,560,000¥20,400,000
¥4,920,000¥23,200,000
¥5,280,000¥25,700,000
¥5,640,000¥28,100,000
¥6,000,000¥30,500,000
¥6,360,000¥32,900,000
¥6,720,000¥35,400,000
¥7,080,000¥39,100,000
¥7,080,000¥40,000,000
¥7,200,000¥40,000,000
夫婦(専業主婦、主夫)の場合の住宅ローン控除最大活用額(年収別)

2つの表を見ると、独身・共働きの条件時と比較して夫婦どちらか1人の収入で生活している家庭の場合の住宅価格が大幅に減少していることが分かります。

年収
(総支給額)
住宅価格
(住宅ローン年末残高)
¥4,080,000¥21,100,000
独身・共働きの場合の住宅ローン控除最大活用額(年収別)
年収
(総支給額)
住宅価格
(住宅ローン年末残高)
¥4,080,000¥16,600,000
夫婦(専業主婦、主夫)の場合の住宅ローン控除最大活用額(年収別)

年収408万円の場合ではそれぞれ比較すると、住宅ローン控除を最大に発揮できる住宅価格で約500万円の差があります。

2、4,000万円の住宅を購入した場合、年収が約700万円で住宅ローン控除上限額40万円を活用できます

1、独身・共働きの場合、年収672万円で上限額40万円の住宅ローン控除額を活用できます

1年間のボーナスを無しの場合、月額給与は56万円となります。

月額給与・標準報酬月額年収(総支給額)住宅ローン年末残高住宅ローン控除額支払税金額(住宅ローン控除適用)支払税金額(控除なしの場合)
¥550,000¥6,600,000¥39,100,000¥391,000¥210,900¥601,900
¥560,000¥6,720,000¥40,000,000¥400,000¥234,600¥634,600

年収に対して所得税、住民税、社会保険料はいくら支払う必要なのかはこちら。

月額給与年収(総支給額)所得税住民税社会保険料所得税の課税所得×7%
¥550,000¥6,600,000¥255,000¥346,900¥970,680¥237,230
¥560,000¥6,720,000¥277,000¥357,600¥971,040¥244,720

所得税の課税所得×7%が136,500円を超えているため住民税から差し引き可能な住宅ローン控除額は136,500円が最大となります。

詳しくは後述します。

2、夫婦(専業主婦、主夫)の場合、年収720万円で上限額40万円の住宅ローン控除額を活用できます

1年間のボーナスを無しとした場合、月額給与は60万円となります。

月額給与年収(総支給額)住宅ローン年末残高住宅ローン控除額支払税金額(住宅ローン控除適用)支払税金額(控除なしの場合)
¥590,000¥7,080,000¥39,100,000¥391,000¥215,800¥606,800
¥600,000¥7,200,000¥40,000,000¥400,000¥239,600¥639,600

こちらも所得税の課税所得×7%が136,500円を超えているため住民税から差し引き可能な住宅ローン控除額は136,500円が最大となります。

月額給与年収(総支給額)所得税住民税社会保険料所得税の課税所得×7%
¥590,000¥7,080,000¥255,000¥351,800¥1,023,060¥237,160
¥600,000¥7,200,000¥277,000¥362,600¥1,023,420¥244,720

上記の2行目の場合、住宅ローン控除を最大金額で活用することができますが、控除額を最大に活用したいからといって住宅購入価格を上げてしまうと総合的に余計にお金がかかってしまい、本末転倒になりますので注意が必要です。

3、住宅ローン控除を活用しているのに100万円以上を捨てるとは?

実際に独身で年収400万円の会社員が4,000万円の住宅を購入しローン返済をした場合を例にします。

10年間で住宅ローン控除適用額を活用できずに

無駄になってしまう金額は合計でなんと、138万2,000円となります。(試算値)

凄まじい金額ですね。

具体的に解説していきます。ここからは複雑な内容となりますので根拠が知りたい方のみご覧いただけたらと。

冒頭で説明したとおり、住宅ローン控除は1年間で支払う税金の額から差し引く制度です。

まず最初に、独身で年収400万円の会社員Aさんが1年間で支払う必要のある税金はいくらでしょうか。

答えは合計26万3,000円です。内訳は所得税が86,000円で住民税が177,000円です。

ということは、

40万円(住宅ローン控除最大額)-26万3,000円=13万7000円が活用できずに損をした金額。と思いますがそうではありません。

住宅ローン控除は所得税から住宅ローン控除額を差し引き、引ききれなかった金額については住民税からも控除が適用されます。

しかし、住民税から差し引ける限度額は以下のどちらか小さい方となっています。

ポイント

住民税から差し引ける住宅ローン控除の限度額はいずれか小さい方(※)

  • ①所得税の課税所得×7%
  • ②13万6,500円

(※2014年4月以降に住宅ローンを組んだ場合)

今回、Aさんの条件では所得税の課税所得は169万円となり、①は169万円×7%=118,300円

つまり、所得税86,000円を差し引いた後、引ききれなかった住宅ローン控除額が314,000円だったとしても住民税177,000から差し引ける金額は118,300円のみとなります。

要するに1年目で損する金額は

住宅ローン控除額40万円-(86,000円+118,300円)=195,700円となります。

この数値を単純に10年間の10倍で計算すると200万円近くの損額となりますが、10年間のローン返済額を考慮することで約130万円が損をした総額となります。

さいごに

いかがでしたか。

住宅を購入するときに住宅ローン控除額を最大に活用することが住宅購入の最大の目的ではないことがほとんどだと思います。

しかし、本内容を知らないのと知っているのとでは手元に残るお金に100万円以上の大きな差が生まれます。

ぜひ、マイホームを購入する際の一つの目安としてみてはいかがでしょうか。

それではまた。

【共通条件】

◆ 納税者が会社員(給与所得者)で健康保険加入者かつ厚生年金加入者

◆ 40歳未満(介護保険料は未払い)

◆ 子は16歳未満もしくは、子なし(扶養控除適用なし)

◆ 社会保険料は年収の約15%で算出(都道府県の中央値を使用し14.45%)

◆ その他の控除は無しとする